60話 未来への道標
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「……必ず帰ってきて」
ルークがミュウと話している間にティアはアッシュと話していたようだ。ミュウが離れた後、ルークへと向き直る。
「ティア……」
「必ず。必ずよ。待ってるから。ずっと。ずっと……」
けど、すぐに今にも泣き出しそうな表情を浮かべルークに背を向けてしまう。そして、意を決したように振り返る。
「……うん、わかった。約束する。必ず変えるよ」
「……ルーク……」
互いに背を向けるルークとティア。ティアの唇が、好き、と動くけどそれはルークには届かない。ジェイドに促されて、こちらへと向かうティア。私は一度、目を閉じ小さく息を吐いて歩き出す。
「ルーク……アッシュ……始めようか」
私は杖を手にしたまま二人の前へと行く。ルークとアッシュは私を見て頷く。
「真咲?」
「ジェイド……どういうことだ?」
私の行動にガイたちが驚愕の表情を浮かべる。私を見た後、ジェイドへと振り返るけど、彼は眼鏡を直すように手を顔で覆うだけで何も言わない。
「黙っててごめんね。でも、私はこの時のために、ここにいるの」
ガイたちの方へと振り返り、笑みを浮かべる。けど代わりに彼らの顔色は悪くなっていく。
「どういうことですの!?」
「ルークとアッシュは私が必ず連れて帰るから。二人が戻ってくるための標になるの」
ずっと、ずっと考えていたこと。ルーチェは何故私がこの世界へと来ることを知っていて阻止しなかったのか。どうしてローレライは私を憎みながらもこの世界へと呼び戻し力の封印を解いたのか。
「大佐!知っておられたのですか?」
「はい……先日、真咲が私に話しました」
「それを了承したのかよ!?」
ジェイドへと非難を浴びせるみんな。ルークとアッシュもわかっているからこそ何も言わない代わりに、表情を歪めた。
「大丈夫。私もちゃんと戻ってくるよ。三人で無事に戻ってくるために行くんだから」
だから、ジェイドさんを責めないでね、と。
「ルークもアッシュも知ってたんだね…」
「……ああ」
アッシュはついさっき話したばかりだけど。みんな快くではない。でも、私の決心を汲んでくれた。だから、私もそれに応えなくてはならない。