60話 未来への道標
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「ジェイド……?」
無言でルークの前まで進むジェイド。そして左手を前へと出す。その意味が理解できなかったのか目を丸くする。
「ルーク。あなたは本当に変わりましたね」
笑みを浮かべるジェイドの手を取り握手をするルーク。
「俺、酷かったもんな」
昔の自分を想い出して苦笑する。
「……ですが、どれだけ変わろうと悔いようと、あなたのしてきたことの全てが許されはしない。だからこそ生きて帰ってきて下さい。いえ……そう望みます」
「ジェイド……無茶言うなよ……」
苦笑いを浮かべたままのルークにジェイドは、すみませんと顔を俯かせ、今度はアッシュへと向き直る。
「あなたには私の生み出したフォミクリーで人生をめちゃくちゃにしてしまいましたね」
「全くだ」
アッシュにも手を差し出せば彼はそれを素直に受け入れる。口ではそう言うものの口元は笑みを浮かべていた。
「……あなたにも戻ってきて欲しいと私は望みます」
そう言ってジェイドは後ろの方へと下がっていった。
「待ってるからな。ご主人様のいない使用人ってもの寂しいもんなんだぜ」
「おまえ、もうウチの使用人じゃないだろ」
ジェイドと入れ違うようにルークの前に来たガイ。まだルークをご主人様と呼ぶと、ルークは呆れたように言う。
「ま、公爵家の使用人じゃないが、おまえの心の友兼使用人でいてやってもいいんだせ」
ウインクをしながら言うガイにルークは馬鹿だなーと笑う。
「だから、さくっと戻って来いよ。このまま消えるなんて許さないからな」
「……気付いていたのか!?」
ルークの隠し事は全てお見通し。帰ってきたら、心の友に隠し事をするような根性矯正してやるよ、と言ってガイもアッシュの方へ向く。
「……わだかまりがないと言ったら嘘になる。けど……おまえもちゃんと戻って来いよ」
「……ガイ」
アッシュの肩をポンッと叩いて、ガイは離れていった。
「アニス!?」
ガイがアッシュの元に行くと、アニスがルークへと抱きつく。彼の胸に顔を埋めて、バッと顔を上げる。
「私も、知ってたよ。ガイみたいな確信じゃないけどさ」
少し泣きそうなアニスの顔にルークは、なんだよ……それ……と同じような顔をする。