60話 未来への道標
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「七番目の旋律……理解したのだな……ティア……」
ティアの大譜歌とルークとアッシュの第二超振動により力を失い吹き飛ばされるヴァン。そして、ゆっくりと体を起こし、震える足で立ち上がる。
「私、思い出したの。兄さんが泣いてばかりいた私に詠ってくれた、この歌を。兄さんは譜歌の意味を知っていて最初から私に全てを伝えてくれていた。ありがとう……兄さん……」
必死に涙を堪えるティア。最愛の兄は全てを教えてくれていた。ユリアの預言を憎みながらもユリアの譜歌を伝えていた。
「……さらばだ……メシュティアリカ……」
もう立つ力は残っておらず両膝と両手を地につける。それを見てルークとアッシュは駆け寄ろうとする。
「……ヴァン師匠っ!!」
「……師匠っ!!」
「来るなっ!!……この期に及んでまだ私を師を呼ぶか……愚か者共……」
声で二人を制した後、苦笑いを浮かべる。もう一度、ゆっくりと立ち上がり天を仰ぎ見る。
「……許せよ……我が同士たち……よ……」
光に包まれながら徐々に消滅していくヴァン。出来ることなら彼も救いたかった。でも、ローレライをその身に宿した時点で、それは叶わぬものとなっていた。
「ヴァン師匠……ありがとうございましたっ!」
「……ありがとうございましたっ!!」
深々と頭を下がるルークとアッシュ。ヴァンの体かが消えるとティアは静かに目を伏せた。そして、静寂が生まれたと思ったら、地面が大きく揺れ始める。
「……みんなは急いで脱出してくれ。俺はここでローレライを解き放つ」
「俺はじゃねぇだろ。俺たち、だ」
ルークは私たちを見渡す。剣をまだ手にしたままのアッシュがその側へと寄る。
「ルーク!」
「アッシュ!」
ここでローレライを解放すると言うことはどう言うことか、それは言わずとも知れている。
「ローレライとの約束だ。これは俺が……いや、俺たちがやるべきことだから」
ローレライと同じ音素振動数を持つ二人。完全同位体であり、ローレライから鍵を預かったルークとアッシュの使命でもある。他の誰でもない、ルークとアッシュでなくてはならない。