60話 未来への道標
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「俺は酷なことを言ってる。生きて生きて生き抜いて、恨み、憎しみ、悲しみ、怒り……全部しょいこまなけりゃならないってな。でも、おまえだけに背負わせたりはしないぜ。
俺もおまえと同じだ。世界中がおまえのやってきたことを非難しても、俺はおまえの味方だ。俺はヴァンの六神将とは違うぜ。自分も生き抜いた上におまえも助けてやる」
誰よりもルークの側にいたガイだから言える言葉。みんなが見離しても、ただ一人信じ続け迎えにまで行ったのだから。酷いことを言っているのかもしれない。でもその代わり、ずっと味方でいてくれて、助けてもくれる。親友だから言える言葉だ。
「私は最初から預言なんてどうでもいい。未来は自分で切り開くものだから。私はね、みんなとこうして出会えて一緒に旅が出来たことが一生の宝物。
誰もがそんな宝物のような未来を持ってるの。それを奪う輩は誰であろうと許さない。そんな奴はこの杖で殴ってやる!」
杖をブンッと振るとルークとガイが苦笑いを浮かべる。この杖で殴られると結構痛いんだから。
「とりあえず、ヴァンはブン殴る!」
「その姿は見てみたいですねぇ」
「……ジェイドまで」
これだけの人間に迷惑を掛けたんだから、一発くらい殴っても誰も文句は言わないだろうし。と言うか言わせないけどね。
「俺は俺の決着をつけさせてもらう。俺はアイツの弟子だ。弟子が師匠の尻拭いをするのは当たり前だ。これからの事なんて今はどうでもいい。まずは奴は止める。全てはそれからだ」
この先にいるであろうヴァンを睨みつけるかのように目を細めるアッシュ。ルーク同様、誰よりも師匠として慕っていたヴァンだから、自分の手で決着をつけたいのだろう。ここまで来たのだから尚更。
「ルーク、行きましょう。兄さんの目指す未来を、私たちの目指す未来に書き換えるために」
「ああ!」
ゆっくりと階段を上がる。一歩、一歩上がる度に緊張が増す。これで最後だからか。
「……これで最後」
自分に言い聞かせるように呟く。この先にいるヴァンを倒して、ローレライを解放する。そして私は……私のするべき事、私が望む事をする。戦うのは最後。新しい未来を歩み始めるのはこれから。だから、最期の地を真っ直ぐに見据えて、私は階段を上った。