60話 未来への道標
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「そうだよ。何もかも消して何もかもやり直すなんて無責任だもん。本当は預言を守って滅びるなら、それを受け入れるのが人間の責任だと思う。
でも私たちは、途中でそれを回避するために努力しようって気付いたんだから。だから最後までそれを貫き通していきる。総長の理屈なんてぶっ飛ばすんだから」
この中で一番幼いアニスから責任という言葉が出る。何もかもを消してしまえば何もかもが無かったことになる。自分達で変えようとする努力などせず、それを無駄だと決め付ける。そんなヴァンをぶっ飛ばすというのは何ともアニスらしい。
「わたくし、ずっと思っていましたの。アッシュがキムラスカに戻ってきて、ルークと二人でお父様を支えてくださればいいのにと。でもわたくしは間違っていたのですね。あなたとアッシュはそれぞれの生きる道があった。
それをわたくしが、無効となった約束で縛り続けていたのですわ。ルークにはルークの、アッシュにはアッシュなのですものね。ですからあなた方の思うままに生きて下さい。その為にわたくしは、全力であなたがたを手伝いますわ。あなた方の幼なじみとして」
ナタリアは二人に笑みを浮かべる。キムラスカを支えてくれたらとは今でも思っているだろう。特にアッシュには今までの分、側にいてもらいたいのだろう。けどその人の人生はその人のもの。誰かが強要する事なんて出来ない。
「そうだな。特にルークはまだ自分の足で歩き始めたばかりだ。しかも背中には数え切れない命を背負ってる。喰らった命の分、生き続けなきゃ嘘だよな」
「でもルークはまだ実年齢上お子さまだから、色んな事を知ってそれを楽しんでいいんだよ」
人生なんて結構長いのだから。私ももういい年になってしまう。でもこれからだとも思う。前と違って、今は一生懸命生きたいと思えるようになった。
「……そうだな。俺、たった七年の間に血塗れになっちまったもんな。真咲が言うみたいに、楽しんで生きていいのかなって思っちまう」
「私がいいと言ったらいいの」
確かに、自分がレプリカとは知らずに、ただの記憶喪失として育てられたせいか我が儘し放題だった。だけど、今は何をすべきかしたらいいのか理解している。だから、人として人らしい生き方をしても私はいいと思う。