60話 未来への道標
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長き旅
それももう終わり
数ある未来を手にするために
私たちは最後の戦いに挑む
「……この先に、とてもとても怖い力を感じるですの」
長い長い階段の前。そこで私たちが足を止めるとミュウが怯えた声を上げる。
「ああ。俺にもわかる。ヴァン師匠が……いる。この先に進めばもう後戻りはできないんだろうな」
階段の見上げ、ギュッと拳を握るルーク。この先に待つであろうヴァン。ルークとって色んな意味で運命を変えた相手と言ってもいい。
「後戻りする必要はありませんよ。ヴァンを倒して終わりにしてしまいましょう」
「ヴァンなんかフルボッコにしちゃおうね。それで終わりだから」
「真咲まで、簡単に言うなよ……」
少し軽い言い方をする私とジェイドにルークは苦笑いを浮かべる。こういう場で私にしては珍しく軽いノリだからかアニスやガイたちもだった。
「難しい話ではありませんよ。あちらは星の記憶が定められた未来であることを信じ、それを消そうとしている。私たちは星の記憶は無限の選択肢の一つであり、未来は変えられると信じている。
あまり好きな言葉ではありませんが信念が違うと言うだけです。もはや話し合いでは解決しないところまできました」
出来ることなら話し合いで終わらせたかった。ヴァンの意志は固い。もちろん六神将たちもだったけど。人は皆、それぞれの思いと考えがある仕方のないことだ。彼らと私たち、選んだ未来が違っただけのこと。
「そうですね。兄さんはローレライを取り込んでいる。ローレライが消滅すれば、世界は第七音素補充のために音素を均衡を崩してしまうわ。
ルーク、私たちはそれを止めに来た。以前とは違うわ。私たちは兄さんのやろうとしていることを理解し、その上で認めてはいけないと思っている」
ティアはたぶんルークより複雑な思いを持っているだろう。実の兄妹が袂を分かつような状況になってしまったのだから。本当はヴァンが好きで争いたくない。でも、こうするしか最早、方法はなくなってしまった。辛いのを我慢して気丈にしている彼女なんて強いのだろう。