59話 生き行くが価値
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「シンクの方はこれで大丈夫だな」
「術が解けたところで動けるようにはなってないでしょう」
この大人数で打ちのめしたんだから当たり前だよね。
「ところでアニス?」
にっこり微笑んでアニスへと振り返る。ほへ?と可愛らしく首を傾げるアニスの側へと行く。
「さっきは見事に空気を壊すような事を言ってくれてありがとう」
「あたたたたたっ!いったーい!」
ガシッとアニスの頭を掴む。ぐぐっと力を入れればアニスはこれでもかってくらい大声を上げる。
「み、見てるだけでこっちまで痛くなる」
「俺もだ」
後方で顔色を悪くするルークとガイ。ガタガタと震えて見えるのは気のせいだろう。
「真咲。時間がないことですし、それくらいにしておいてください」
「はーい」
確かに遊んでいる場合ではない。手を離すとアニスは頭を抱えて座り込む。目には涙がうっすら浮かんでいる。そこまで力強くしたつもりはないんだけど。
「普段そんなに力強くないのにぃ」
私の頭を掴むときだけなんでー!と怒るけどそんなの私の知るところじゃない。
「アニスの日頃の行いのせいじゃない」
「アニスちゃんはいい子だもん!ぶー!ぶー!」
自分で言うところはさすがだよね。いい子がどうかはとりあえずツッコまないことにしよう。
「これで六神将は全員止めたことになりますわね」
「しかも全員生きている」
「でもディストは……」
「簡単には死にませんよ。なにせゴキブリ並の生命力を持ってますからね」
ディストはね、うん。これに関しては奇跡に近いだろう。殺すことより生かすことの方が難しい。それを成すことが出来た。まだ全てが終わった訳じゃない。ある意味、これからが本番なのだ。