59話 生き行くが価値
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「あんまりふざけてると返り討ちに合っちゃ……」
立ち止まる私たちの足下に巨大な譜陣が現れる。しまった!もうそんな所まで進んでたんだ!と顔を歪める。
「いけません!罠です!?」
「逃げろ!」
みんなもそれに気付いて即座に譜陣から飛び退こうとした。けどそれより先に、譜陣から光が発せられ始めた。思ったより早いそれに私たちには逃げ損ねる。今からでは移動方陣は間に合わない。先に言っておけばよかったと後悔する。
「くっ……間に合わない!」
「……くそ!こんなところで……!」
「ルーク!アッシュ!」
これで気付いてくれるかなんてわからない。でも一縷の望みに掛けるなら、この二人に頼るしかない。何かを察してくれたかはわからない。でも二人は一瞬、私を見た後、背中を合わせて超振動を発する。
「はぁぁーっ!」
ルークとアッシュの体から強い光が発せられる。それは渦となって、譜陣から発せられていた光を消し飛ばした。ルークとアッシュの体は僅かに光っているが、譜陣の方は完全に沈黙していた。
「……こ、これは一体」
「何なんだ?」
ルークとアッシュは自身の手を見つめる。自分たちでも何が起きたのか理解できていないのだ。次第に二人の体から光は消えていく。
「超振動……いや、第二超振動?馬鹿な……!」
目の前で起こった現象が信じられないといった風に目を見開くジェイド。本来ならば起こりえない現象なのだから、信じられないのも仕方ない。私が知るものと違ったけどこんな形で発せられるとは思わなかった。
「今の力は何?」
ジェイドでもあの反応なのだ。他のみんなに理解しろと言う方が難しい。未だに各自に走った動揺は拭えず、ルークとアッシュへと視線を向ける。二人はまだ自身の手を見つめていた。