59話 生き行くが価値
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生きるということ
誰もが
望みし望まぬもの
その価値は
誰が決めるものか
「……あと、少し」
私の呟きは口内で発せられたものだから側を歩くジェイドやティアには聞こえていない。この先に待っている最後の六神将。彼は世界云々以前に自分の生すら呪っている。これまで戦ってきた者たちより一筋縄では行かないだろう。
「なぁ。おまえらもう少し仲良くできないのか?」
一番前を歩くルークとアッシュにガイが呆れたような声を上げる。ナタリアは困ったような笑みを浮かべ、アニスは完全に呆れている。ティアは溜息を吐き、私とジェイドは互いに顔を見合わせて肩を竦める。
「だってアッシュが!」
「この屑が!」
さすがは被験者とレプリカ。双子顔負けなくらい息がピッタリ。同時に振り向き、同時に声を発する。自分の行動が同じだったことが嫌だったのかアッシュは顔を逸らして舌打ちをする。
「ここで喧嘩なんかするなよ」
「だって……」
ガイが注意するとルークは子供みたいに唇を尖らせる。実年齢だと十分子供なんだけど。
「まぁ……仲良くやってくれるとは思ってませんけど」
「状況がわかってるんでしょうかねぇ」
ルークとアッシュの相性はある意味では最悪だ。ルークがなるべく歩み寄ろうとしているけど、アッシュは素直にルークを認められなくて意固地になってるし。本当にただの兄弟喧嘩だよ、これじゃ。
「お二人とも仲良くなさって下さい!今は喧嘩をしている場合ではありませんわ!」
こういうときナタリアがいてくれると助かる。二人ともナタリアには頭が上がらない。ルークはともかく、アッシュもナタリアには強く出れず押し黙ってしまう。