58話 この時こそが私の願い
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「……真咲」
スッと側に寄ってきたのはアッシュ。珍しい。ナタリアの側じゃなくて私の側に自ら来るなんて。
「どうしたの?」
自分から来たくせに話を切り出さない。何だろうかと首を傾げると、アッシュは眉を寄せ、視線を逸らした。
「……俺は、あそこで死んでたのか」
ようやく発せられた言葉。あそこというのは私たちが落とされた場所のことだろう。何せルークとの決闘のあとに神託の盾兵がなだれ込んできたから。
「私の力で助かるなら出し惜しみはしないよ。それに、死んでほしくないもん」
人の死は喜べない。それにアッシュが死んだら悲しむ人もたくさんいる。私だって悲しい。あのシーンを思い出すだけで切なくなる。
「アッシュだって死にたくないでしょ?」
二人を助けたいから、私がこの後やろうとしていたことは伝えてある。ただアッシュにあそこで何が起こるかは伝えていない。
「……ああ」
一言だけそう言って離れていった。アッシュも不安だったのかもしれない。誰もが抱えているもの。だから進むしかないのかもしれない。
抱いた不安
進まねばならぬ道
成さねばならぬ道
だから足を動かすのだ