58話 この時こそが私の願い
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「どういうことだ?」
「それも後でね」
まだ理解してないルークに肩越しで笑顔を見せる。そして杖を一回転させ地面を叩く。
「――時を紡ぐ者どもよ 我が声を聞き、我が声に答えよ」
まだ数えるほどしか使ったことのない術。今日ほどこの術が使えることが良かったと思う日はない。自身の周りに浮かぶ魔法陣を杖で叩く。打ち付けた魔法陣は青白い光となって私たちを取り囲む。
「我らを待ちし彼の者らの元に我らを導かん 我が名に於いて命じる 我が名は"真咲" 千里の力を持つ者なり――!!」
異変を察して一斉に斬り掛かってくる神託の盾。けどその前に私は杖を地面へと強く打ち付ける。周りが見えななるくらい光が増す。一瞬浮遊間を感じ、次の瞬間には視界は変わっていた。
「うおっ!?」
初めての体験だったルークは着地の際、バランスを崩す。アッシュも少しばかり崩したけどルークほどではなかった。
「ルーク!?真咲?それにアッシュまで!!」
無事に転移できたことに安堵するとすぐに聞こえた声。聞き慣れた声の方を見れば私たちを指さすアニスがいた。もちろんアニスだけではなく、穴に落ちる前まで一緒にいた仲間たちもいる。
「おかえりなさい」
「はい、ただいま」
にっこりと笑顔で迎えてくれるジェイド。ルークと一緒に穴に落ちることは伝えてなかったし詳しい理由もわからない状態だけど、私も落ちなければならない理由は察してくれたのかもしれない。こういう時、凄く助かる。私は我が儘ばかり言ってるのに、理解してくれることが嬉しい。
「一体、どういうことぉ?」
尤もな疑問を口にするアニス。それは他のみんなも聞きたいことだろう。たぶん全てを理解してるのはアッシュだけだろうし。実はね、と口を開く。