58話 この時こそが私の願い
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「話、だと?」
勝負を途中で止められたからか眉間の皺がこれでもかってくらい寄っている。怒り心頭とはこの事をいうのかってくらい。
「アッシュにとっても悪い事じゃないよ」
にっこりと微笑む。アッシュの表情はまだ堅いままだけど、話を聞いてくれる気になったのか剣を鞘に収めてくれた。
「アッシュ。自分が近い内に死ぬと思ってるでしょう?」
私が発した言葉にアッシュだけでなくルークも目を見開く。アッシュなら、私が何でそれを知ってるのかわかっている筈なのに。それを忘れてしまうほど動揺を露わにしていた。
「話はその件も含んでるよ」
アッシュにとっても悪い話じゃないよ、と言えばアッシュは舌打ちをした。話をしてもいい顔はしないと思わないけど、どうしても彼を救いたいから。
「私はね、ルークもアッシュも救いたいの。だから力を貸して欲しい」
ジェイドとルークに話した内容の話を話す。話を進めるにつれてアッシュの表情は驚愕のものとなる。元々、突拍子もない話だから仕方ない。それでも、この話をしないわけにいかないし、協力もして欲しい。
「本気で言っているのか?」
「本気だよ」
話が終わると、さっきよりは緩んでいるものの眉は寄ったままだった。
「私は、私の知る未来に納得していない」
全てハッピーエンドなんて無理だとわかっている。現に救えなかった多くの人たちもいる。けど、自分の手の届く範囲の人は助けたい。エゴだと言われても、助けたい。
「だが、それをすればおまえ自身に害が及ぶんだぞ」
「その程度を害だなんて言わないよ」
私が成そうとしていることは確かに私自身にも及ぶものがある。けど、そんなものは些細なことだ。私にしかできないのならそれを成さないわけがない。