58話 この時こそが私の願い
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「はぁっ!」
ルークとアッシュの攻防はどれだけ続いただろうか。以前はあれだけ差があったのに、ルークはアッシュと互角に戦っている。
「魔王絶炎煌っ!」
ルークがパンチを入れた直後に剣で斬りつける。炎がアッシュを襲うけど大したダメージにはならず、アッシュはすぐに体勢を立て直す。
「甘ぇよ!瞬速の剣閃!翔破裂光閃っ!」
アッシュの技がルークを襲う。ルークは体勢を崩したまま剣で何とか防ぐが、威力を完璧には殺しきれず表情を歪める。
「……ルーク……アッシュ」
本気で戦う二人。自分たちの誇りのために戦っているのだから本気なのは当たり前。でも、無茶はして欲しくない。この先待っているのは今以上の本気で望まなければ勝てない。
「ちっ!」
「くっ!」
剣と剣がぶつかり合う。どちらも譲らない。何度も何度も、ガキンっと言う音を立てる。
「レプリカ如きがっ!」
「俺だって負けられないんだっ!」
二人の様子を見て私は離れた位置で見守っていた足を動かす。一歩二歩と二人へと近付く。戦いに集中している二人は近寄る私に気付かない。
「はい!それまで!」
パンっと手を叩くと、意識が戻ったようにハッとして動きを止める。
「それ以上は駄目だよ」
二人の間に入って顔を交互に見る。ルークもアッシュも呆気に取られて何度も瞬きをして言葉を発しない。
「ルーク。ここに来た目的を忘れたわけじゃないよね?」
「え?あ、ああ」
ルークには前もって話してあったというのに忘れてしまうなんて。仕方ないと言えば仕方ないんだけど。
「アッシュにも話があるの。聞いてくれる?」
どちらにしてもここで時間を食うわけにはいかない。ここにいつまでも留まるわけにはいかないからだ、色々と。