58話 この時こそが私の願い
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「……ファブレ家の遺伝子ってのは余程間抜けらしいな。レプリカまでそろって同じ罠にはまるとは……胸くそ悪い」
「……そんな言い方するなよ!」
思わず私は?と言いたくなったけど雰囲気的に言うのは無理だと判断して言わぬが花と結論付く。ルークが歩み寄ろうとしてもアッシュがそれを拒む。
「ここを出る方法はないのか?」
脱出方法をルークが問うとアッシュは無言で部屋の中央へと歩き出す。そこにある譜陣に手を着いて力を送り込むと扉が開いた。けどアッシュが手を離すと扉は閉まってしまった。
「……真咲はともかく、俺かおまえかどちらか一人は、ここに残るってわけだ」
ちらりと私を見たあと、ルークへと視線を戻す。そんなアッシュにルークは近寄り、ローレライの宝珠を差し出した。
「……なんの真似だ」
ルークの行動の意味が分からないアッシュが怪訝な面持ちをする。
「どちらか一人しかここを出られないなら、おまえが行くべきだ。ローレライの鍵でローレライを解放して……」
「いい加減にしろ!!おまえは……俺を馬鹿にしてやがるのか!」
また始まった。こうなることは知っていたのだけど、何度目となるこのやり取りには溜息しか出ない。ルークにはルークのアッシュにはアッシュの考えや思うところがあるのはわかってるけど。決戦の前にここは通らないわけにはいかないからあえて私からは何も言わない。
「そうじゃない。俺はレプリカで超振動ではおまえに劣る。剣の腕が互角なら、他の部分で有利な奴が行くべきだろう」
憤りを露わにするアッシュとは対照的に、冷静に真っ直ぐにアッシュを見つめて言うルーク。彼の言葉にアッシュは少しだけ表情を歪めた。なかなか何も言わないアッシュにルークが不安そうにする。怒鳴られ慣れてしまったからか、黙られると逆に不安になるんだ。