57話 全てを乗せた彼の地へと
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「真咲?」
倒れたリグレットの側に寄り、生死を確認する。助けたい気持ちがあっても手加減して戦える相手ではなかった。グローブを取って首元に手を当てるとまだ脈はあった。
「ナタリア!」
少し離れたところに立つナタリアを手招きして呼ぶ。何事かと首を傾げながら駆け寄ってくる彼女にリグレットに回復術を頼めば、目を見開き驚かれる。けど私の意図を察してくれたのか、ナタリアは頷いてすぐに術を掛けてくれる。
「真咲!?何を……」
「リグレットにも、私たちが作る世界を見てもらわなきゃ」
ここで終わっていいはずがない。回復はさせたけど、蓄積されたダメージと緊張のせいですぐに目を覚ますことはないはず。とはいえここに転がしておくのも如何なものか。
「仕方ありませんね。一度アルビオールへと戻りましょう。もちろん動きを封じて」
「ジェイドさん」
私の希望は知ってる。でもわざわざ回復までさせるとは思ってはなかっただろうから怒られると思ってたんだけど。
「ティアもいいですね?」
呆けたように立ち尽くしているティアにジェイドが声を掛ければ、ティアは俯いて小さな声で、はいと答えた。
「真咲。これ狙ってたの?」
「狙ってたというか、望んでた?」
「なんで疑問系なんだよ」
アリエッタ、ラルゴと上手くというか助けられたから今度も上手く行くとは思わなかったし。特にリグレットはラルゴ以上に強情で意志も固いだろうから己の全てを投げ打って挑んでくるから助けられないと正直思ってた。
「真咲。ありがとう」
少し涙ぐんだティアからお礼を言われた。私はもう大丈夫だよと笑顔で、どう致しまして。と返した。