57話 全てを乗せた彼の地へと
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「私は!まだ諦めはしない――シアリングソロゥ!」
かなりのダメージを負っているというのに怯むどころか、尚も攻撃を仕掛けてくる。命を捨てでもと言う覚悟が痛烈に響く。
「させない!フォースフィールド!――教官!もう……」
「まだ戦いは終わってないぞ!インリイノクターン!」
もはや気迫だけで戦っている。ここまで来たら彼女を止める手立ては一つしかない。戦いに勝つしか、ない。
「これで終わりだ!プリズムバレット!」
オーバーリミッツしたリグレットの秘奥技。一瞬でも気迫負けしてしまった私たちは避けきれなく各々ダメージを負う。一番近くにいたルークとアニスはモロに攻撃を食らってしまいその場に膝を着く。
「命を照らす光よここに来たれ――ハートレスサークル」
後方へと控えていたティアが回復譜術をかける。トドメを刺される前に回復が間に合い、ルークとアニスは立ち上がり武器を構える。
「俺たちだって負けられない!魔王絶炎煌!」
「言葉でわかってくれないなら!受けよ、無慈悲なる白銀の抱擁――アブソリュート!」
気迫で立ち上がるなら、それができなくなるまで完膚なきまでに叩きのめすのみ。
「ティアっ!」
引導を渡すのは私の役目ではない。リグレットは立っているだけでやっとのはず。
「教官……あなたは、間違ってます。穢れなき風、我らに仇なすものを包み込まん――イノセントシャイン!」
避けることもできないリグレットはそれを甘んじるように防御すら取らず目を閉じた。光の渦がリグレットを飲み込み、戦いの終わりを告げた。
「……ヴァン」
微かに動いたリグレットの唇は確かにそう発した。そしてゆっくりと地面へと倒れる。