57話 全てを乗せた彼の地へと
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「……くっ!エルドラントが落下しても対空砲火は生きているようです」
「……いえ。待って下さい。エルドラントの左翼……と言っていいのか、とにかく左の平底の部分、対空砲火が死んでいます!」
全ての対空砲火が避けきれず、大きく揺れる機体。このままでは突入出来ないと言わんばかりのノエルにジェイドが叫ぶ。彼の言う部分を確認できたのかノエルは了解!と返事をしアルビオールを操縦する。対空砲火を避け、強引に着陸する。
「あれ、アストンさんのアルビオールだろ!?」
アルビオールから出てエルドラントへと踏み入れる。辺りを見回すと、奥の方にアルビオール三号機が見えた。
「そういえば三号機は、アッシュが乗り回していたな」
「アッシュ……いえ、あれは!」
そちらへと足を向けると三号機から一つの人影が。それを見たノエルが顔色を変えて走り出す。
「お兄さん!?あの対空砲火をくぐり抜けたの!」
ヨロヨロと三号機から出てきたのはギンジ。自分たちより先にエルドラントにいるということは、対空砲火をくぐり抜けてきたことになる。
「危険だがそうするよりなかった。迎撃装置の死角から飛び込んでアルビオールの船体を装置にぶつけたんだ。それしかあの対空砲火を無効化する方法がなかった」
そう言うとギンジは倒れ込む。すぐさまノエルが支える。左翼の対空砲火が死んでいたのはギンジが壊したから。さすがのジェイドも無茶をすると眉根を寄せる。
「おい、大丈夫か?」
「……ええ。おいらは平気です。エルドラント落下でちょっと体を打っただけですから」
「兄のことは私にお任せ下さい。皆さんはエルドラントへ」
着地した後にエルドラントが落下するとは思わなかっただろう。痛みを堪えながら笑顔を見せるギンジ。ここまで頑張ってくれたノエルに礼を述べて私たちは先へ足を進めた。