57話 全てを乗せた彼の地へと
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「君がやろうとしている事。それをやったらどうなるかはわかってるね?」
彼女は私の中にいるんだ、知らないわけがない。それに元々はルーチェの研究所でそれが出来ることを確認したんだし。
「わかってる。」
「もう二度と戻らないよ?」
ルーチェは心配してくれてるんだ。だから彼女から声を掛けてくれたんだ。
「構わないよ。絶対に必要なものでもないし」
なくて困るものじゃない。どうしてもなくてはならないのなら別の方法を探してた。でもこれなら誰も犠牲にならなくて済む。
「……でも、君は彼らと共になることになるよ」
「それも覚悟の上。死ぬ訳じゃないもん」
ルーチェの言いたいことはわかる。それをすることで私がどうなるか。死ぬ訳じゃないけど、何もないわけでもない
「私はね、これが一番納得してないの」
だから絶対に後悔はない。助けたい、それに偽りはない。
「私は止めるつもりはないよ。君が望むなら私は力を貸すだけ。ただ覚えておいて欲しい」
声音を低くするルーチェ。その声に緊張を覚える。
「ここから先の未来は私も知らない。君たちが君達の望む未来を作るんだ」
全てを見通す右目。私は使いこなすことは出来なかった。強すぎた力。ボヤケて見える程度が限界。主に夢でだけど。そんな力を持つルーチェでもこの先は見えないと。
「健闘を祈ってるよ」
「ありがとう、ルーチェ」
本当に本当にこれが最後なのだ。終着点、私が進んできた旅路の。よしっ!と気合いを入れて路地裏を後にした。