57話 全てを乗せた彼の地へと
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互いに退くことはない
それは己の理想のため
終の刃を交える
決戦の地……
「……朝、か」
私にしてはよく眠れた。さほど遅くまでは昨日は起きてなく、朝も完全に日が昇ってから目を覚ました。オールドラントに来てから、そんな日は殆どなかったというのに。たっぷりの休息のおかげか頭はすっきりしてるし体調も万全。これならば、と思える。顔を洗い身支度を終え、宿を出れば暑い日差しが体に刺さる。そう言えばここは砂漠だったっけ。
「真咲」
聞き覚えのある声が頭の中に響く。耳から聞こえたと言うよりは直接頭に響く声。そばに誰もいないのを確認し、ふと気付く。声の主が誰なのかと。
「……ルーチェ?」
紛れもなく彼女の声だ。前にも彼女から声を掛けられたことがあった。ただその時は意識を持ってかれたんだっけ。幻聴じゃないよね?と辺りを見回すと誰もいない。念のためと路地裏の方へと入る。
「……ルーチェ、なの?」
本当に彼女が名を呼んだのか。もし幻聴なら決戦の日にとち狂ったかと思ってしまう。
「君に声が届いたようだね」
私の呼び声に答える声。しかし何故、ルーチェの声が聞こえるのだろう。
「戦いの前に君に確認しておきたくてね」
まるで私の心を読んだかのように言うルーチェ。にしても確認しておきたかった事ってなんだろう。
「確認って、なにを?」
路地とは言えだれも入ってこないとは限らない。だから積んである荷物の影に隠れてからルーチェに改めて訊ねる。