56話 前夜に語る思いの果て
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「それだけのためにルーチェの研究室に行ったのか?」
暫くルークを堪能してたらまた引き剥がされた。名残惜しいけど仕方ない。自分のためにそうしたのかと問われればそれが一番の目的だから頷く。
「でも、もしかした明日の戦いに役に立つ物があるかもって探しはしたよ」
したらこんな物が出てきたの。とアニスたちにも見せた本をルークにも見せる。
「……読めねー」
が、ルークは眉間に皺を寄せてそう言った。ああ、そう言えば。
「これ、古代イスパニア語で書いてあるんだった」
ルークが読めなくても仕方ない。
「これは惑星譜術って言って強力な譜術なの」
それについて記された本。たぶん私とジェイドさんなら使えると思うんだと教えると、へぇと感心したような声を上げる。
「負けるわけにはいかないからね」
負けられない戦い。でも、私としてはという思いもある。
「真咲は……ラルゴやアリエッタみたいに他の六神将を助けたいんだろ?」
まるで私の心を読んだかのように言ったルーク。虚を突かれて思わず私は目を見開いて息を飲んだ。
「真咲が助けたいのは敵味方全部ひっくるめたみんななんだろ?」
「……ルーク」
隠していたわけじゃない。そんなことが出来たらどんなにいいだろうと思っていた。敵だから死ぬというのはゲームだから。でも今、私のいるこの世界ではみんな生きている死んでいいはずなんかない。
「俺だって死んで欲しいわけじゃない。だから、頑張ってみるよ」
へへっと笑うルーク。出会った当初からは比べものにならないほど成長したね。こんなに立派になって。何だか誇らしい。
「ありがとう、ルーク」
もう少し星を眺めているというルークを残して私は彼の元へと足を向けた。これで最後。私が知る全てと望み。それを伝えなくては。無意識に足早になった気がした。