56話 前夜に語る思いの果て
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「ティア」
日が沈んでだいぶ経った頃、ティアを宿の前で見つけた。ルークとの空中デートは終わったみたいだ。それを待っている間にジェイドの元に行くということも出来たけど彼とはゆっくりと話したかった。
「真咲」
振り向いた彼女の表情が悲しげに見えたのは、想いが募りすぎているからなのか。ティアはルークの状態を知っている。そしてヴァンを撃退してローレライを解放する。それを意味することを知っているから。そんな中、彼女の胸の中でミュウがスヤスヤと眠っていた。
「ティア。泣きたかったら泣いていいからね?私は全部知ってるから」
これからの事。ティアの想いも。多少の変化はあったとはいえ、想いは私が知るものと変わらないだろう。いつも我慢しているのだから今日くらい泣いたっていい筈だ。
「泣かないわ」
綺麗に微笑んだティアはそう言った。
「まだ終わってないもの」
ティアらしいと言えばティアらしい答えだな。彼女は強い。でもその強さは弱さと紙一重で見てる方が辛くなるときがある。
「……そっか」
無理矢理泣かしても意味はない。泣いていいと言って泣かないのであればそれでおしまい。
「少しだけ、真咲の気持ちが分かった気がする」
「へっ?」
夜空を見上げるティア。彼女の言いたいことがわからず私は首を傾げてしまう。けどティアは何も言わない。
「ティア。ルークは今何処に?」
ティアが地上にいるならルークも一緒に戻ってきたはず。でも二人一緒にここにはいない。アルビオールを降りた後、別れたのだろう。
「ルークなら街の入り口にまだいると思うわ。少し一人になりたいって言ってたから」
「ありがとう」
ティアに礼を告げて、彼女が指した入り口へと足を進める。ジェイドに話す前にルークにも話しておかなくちゃいけない。