56話 前夜に語る思いの果て
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
手にしたものは
私たちに何をもたらすだろう
待ち構えるものの前への
最後の語らい
「みんな何処にいるのかな……」
タタル渓谷からケセドニアに飛んできたのはいいがみんな何処にいるのだろう。日はもう暮れてしまったからガイとナタリアは港にはいないかもしれない。今だとルークとティアはノエルとミュウと共にアルビオールで空の散歩に行っているだろう。アニスとジェイドは酒場で話をしているのだろうか。
「真咲さん?」
キョロキョロと辺りを見回していると後ろから声を掛けられた。私をそう呼ぶ人は少ないが、その声に聞き覚えがあり振り返ると銀髪の青年が立っていた。
「フリングス将軍」
「ああ、そうだ。さん付けはいけませんでしたね。霧島少佐」
仲間たち同様に名前呼びをしてしまったことを自ら訂正するフリングス将軍。かなり久し振りに上の名で呼ばれた気がする。基本みんな名前で呼ぶから。にしても何故フリングス将軍がここにいるのだろう。
「私もこちらの方に配属させて欲しいと陛下に志願しました」
志願したという事は元々はグランコクマの警備が担当だったのかな。それをわざわざこっちにしてもらうなんて。ケセドニアが一番戦場に近いから危険なのに。せっかくあの時に命が助かったと言うのに何故だろう。
「私では皆さんのお役には立てないかもしれませんが、何でもいいから出来ることをしたいんです」
「そんな。役に立たないなんて事ないです」
過小評価しすぎな気がする。役に立たないわけがない。仮にも将軍なのだから。首都をピオニーを守るのは私たちがしていることと同等に重要なこと。それにこうして来てくれただけでも感謝しなくてはいけないのに。