55話 君のために出来ること
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「私が見た未来は君が知る未来だ」
だからここまで覆しただけでも驚きだよ。と肩を竦める。
「まだ抗う気満々だけどね」
「真咲らくしていいんじゃないかい」
私らしいって何だろう。首突っ込みたがるところとか?まあ、いいかな。
「話を戻すけど、君が成そうとしていることは君自身は危険ではないと思う。ただ、どうなるかは想像は出来ない。私の記述は憶測だ。ああ、言い方を間違えた。出来るには出来るが君自身への変化はどうなるかわからない」
一気にそう言ったルーチェからは笑みは消え、厳しいものに変わっていた。それは私も危惧していた。アクゼリュスの時のように何かしら代償を払わなければならないだろうと予測していたから。ルーチェでもわからない、か。
「それでも私はやるよ」
私自身への代償だけならばやらない理由にならない。彼を救うために私はこの方法を探していたのだから。
「なら私はもう何も言わないよ」
言う必要もない。小さく息を吐く。そして互いに顔を見合わせ、クスクスと笑い出す。
「さあ、そろそろ戻った方がいいよ」
話に夢中になっていて気付かなかったが、もう日が暮れかかっていた。窓の外の景色は本物ではないけど時間の流れは外と同じのようだ。
「健闘を祈る」
「ありがとう、ルーチェ」
彼女が杖を地に打ち付ければ再び景色が変わる。さっき見たときはただ白く咲いていたセレニアの花が光り始めていた。日が暮れたのを見届けて、私は杖を振るった。
不安はなくはない
怖くないと言ったら嘘だ
それでも……
君のためにそれを成したい