55話 君のために出来ること
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「私は……全部自分のために動いているよ」
ルーチェはルーチェ。私は私。さっきルークがアッシュに言った言葉が蘇る。あれは私にも当てはまる言葉だ。顔だけが同じで後は全て違う。
「全部、自己満足なんだよ」
アビスというゲームをプレイして納得できなかった箇所や実際に体験してきて色んな人たちに触れて私は出来る限りの救済に走った。もちろん、出来なかったものもあるし、あえてやらなかったものもある。全てひっくるめて私の自己満足なのだ。
「ジェイドとの事も?」
「あ、あれは想定外だよ!ま、まさか……その……それは別にいいでしょ!!」
こんな切り返しが待っていようとは。でも本当に想定外だし。だって本当に好きになるなんて思ってもみなかったし。全部言い訳がましくなっちゃう。誰かを好きになるつもりなんてなかった。こればかりは、仕方ないって事で。
「と、ともかく、今までのこともこれからのことも、私がこうでありたいと思ったことだから私自身の事はいいの」
あまりこう言うことをいうとジェイドだけじゃなくみんなからも怒られるから言えないけど。
「やってることは結構矛盾してるけどね」
自分で言っておいて苦笑する。預言になるつもりはないと言い続けてるけど、知ってから納得できないからと言う理由で物語を変えようとしているのだから。
「全てを一人では出来ない」
「わかってる」
一人でやろうとした結果、アクゼリュスではヴァンに斬りつけられ、使い慣れない術で右目を失明した。それは自分の過失だから文句の言いようがない。
「けど、君は健闘している」
ずっと無表情だった顔に笑みが浮かぶ。自分と同じ顔なのに少しばかりドキリとしてしまった。不意打ちだよ、それ。