55話 君のために出来ること
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「……私は行かなきゃいけない所があるから、少しの間、別行動を取るね」
手に杖を召喚させる。突然そんなことを言い出した私にジェイド以外の全員が驚きを露わにした。
「真咲。何を言ってるんだ?」
「大丈夫。夜には戻るようにするから」
アッシュみたいにどこかに行ってしまうと思ったのか、それとも別かはわからないけどみんな怪訝な面持ちをしている。
「エルドラントに行く前にちょっと寄っておきたいところがあるんだ」
「なら俺たちと一緒に行けばいいんじゃないか?」
「そうですわ。別行動などとらなくてもよろしいんではなくて」
まあ、そう言うとは思っていたけど思わず苦笑いを浮かべてしまう。
「残念ながら真咲しか入れない場所なんですよ」
「大佐?」
助け船を出すように、私の代わりにそう言ったのはジェイド。それでも意味が分からないのか首を傾げられる。
「タタル渓谷にあるルーチェの研究室には私しか入れないの。だからゴメンね」
他の人も入れれば私の霧がかった何かを見つけられるかも知れない。でもそれは出来ないから自身の力で見つけなくては。
「それならタタル渓谷までは一緒に行こうぜ」
「ケセドニアともそこまで離れてないし、その方がいいわ」
みんなにそう言われては断ることも出来ない。ジェイドと顔を見合わせ、小さく微笑んで頷く。わざわざ回り道をさせるのもどうかと思ってのことだったんだけど、余計な気遣いだったようだ。
「でも、そんな所に何しに行くのぉ?」
街の外へと出るとアニスが可愛く首を傾げる。
「わかんない。ただ行かなきゃいけないし私自身知りたいこともあるから」
なんだそりゃ、と呆れられた。と言っても霧がかったそれと未来への標が同じかどうか。そんな物が存在するのかどうかなんて賭にならないくらい確率の低い賭なんだろうけど。