7話 決意に中の鎮魂歌
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「―――っ!」
私は目を見開いた。いつの間にか眠っていたらしい。毎日、同じ夢を見ているせいかもう声を上げて起きることはなかった。私は起き上がり、水差しを手にしコップに水を注ぎ、それを一気に飲み干す。はぁーっと息をつき、ティアが起きてないことを確認して私は買ってもらったジャケットを着て部屋の外に出た。風に当たりたくなって、宿屋から出て歩き出した。今はちょうど日付が変ったくらい。外は誰も歩いてはいない。私は展望台に向かい、梯子を上って、展望台からセントビナーの街を見渡す。そのまま、腰を下ろし膝を抱えた。
なんであんな夢を見るのだろう?
私が殺される夢なんて。
寒いわけでもないのに体が震えた。自分が殺される夢なんて気分が良いものではない。
「ガラス玉ひとつ 落とされた 追いかけてもうひとつ 落っこちた…」
呟くように歌いだした。夜中だから小声で。
「忘れないで いつだって呼んでるから…」
ここまで歌うと、コツっと音がした。誰かの足音だと分かり、後ろを振り返る。そこには、マクガヴァンさんに呼ばれて出かけていたはずのジェイドだった。
「ここにいましたか」
低音の声は怒っているみたいだ。私は座ったままジェイドを見上げる。
「ティアが捜していましたよ」
起きてたんだ。すみません、と蚊が鳴くような声で言う。それでも立ち上がらなかった。宿屋に戻りたくない気持ちでいっぱいだったから。
「戻りますよ」
手を差し伸べられた。そうされては仕方なく、その手を取った。手を借りて立ち上がって、ジェイドを見る。暗闇で見る、彼の赤い瞳は綺麗だったが、怖くもあった。
「……どうして、ここが?」
よくここが分かったと思い、少し首を傾げた。人は何かを探す時、上はあまり見ないと聞いたことがある。だから気付かないと思ってたのに。
「歌声が聞こえましたので」
呟く程度の声で歌ってのに、ここから地上20メートル以上も下まで聞こえたの?どんな聴力をしているのだか。