2話 異端の力
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「え?」
急な光にアニスとイオンも私と同じ様に目を見開き、私の右手に視線を置く。光が次第にゆっくりと消えていく。そして、光の消えた右手には身の丈程の大きな杖が握られていた。その杖の先は輪のような形になっていて、その真ん中に赤い宝玉が付いていた。
「杖?」
ポツリとアニスが呟きながら、私の手の中を見た。私の手中の杖を軽く掲げてみる。外観の割りに重くない、力のない私でも振り回せそうだ。
「これは、一体…でも、もしかしたら」
誰に聞こえる訳でもない声でイオンが呟く。その表情は信じられないというように見えた。でも私とアニスはそれに気づくことはなかった。なんで、私の手に?力を願ったから?―――なら……でも出来るの!?
「違う、出来る出来ないじゃない!!」
杖を両手で握り、勢いよく立ち上がる。そのまま、まだ詠唱中のジェイドの隣まで歩く。途中、イオンとアニスの呼び止める声がしたけど、無視した。ジェイドも私の気配に気づいて、こちらをちらりと見たが詠唱は止めない。
「為せば成る……」
隣にいるジェイドに聞こえるか聞こえないくらいの声で呟く。それはいつもの私の口癖。