54話 彼の者に流れる哀歌
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「す……こあ……が……ユリア……よ……!世界に繁栄にぃ――!?」
動かなくなったモースは最後に……最後まで預言を信じ、消えた。崩壊していくように崩れた消えていった。そんなモースを黙ってただ見つめていた。
「……ひどい……ひどいよ……」
馬鹿の一つ覚えみたいに預言預言と繰り返していたモースに憤りを感じた時期もあった。だけど、預言に執着するあまり自ら導師になろうと素養もない第七音素を手にし、異形の姿になった。預言の為なら人の姿を捨てることも厭わない彼を、哀れむことしか出来なかった。
「モースは最後まで預言に執着していたんだな。怪物になっても預言預言って……」
「あの方はユリアの預言があれば、必ず世界が救われると信じていたわ。あの方なりに世界を救おうとしていた」
モースは預言が外れても預言だけを信じた。人でも現実でもなくて預言だけを。何が彼をそうさせたのだろうか。
「……エルドラントへ行こう」
「ルーク」
グッと拳を握るルーク。怒りや悲しみ、色んな感情が入り交じった瞳で全員を見回した。
「師匠がレプリカ世界を完成させちまったらなんにもならない。モースのやり方が間違っていたことを証明するためにも……いや違うな。俺たちなりの未来を掴むためにも、ヴァン師匠を止めて、ローレライを解放するんだ!」
ヴァンの望む世界は預言にも星の記憶にも捕らわれないレプリカだけが暮らす世界。そうなれば全ての人間が消えることになる。預言は滅亡しか残らなかった。ルークの強い意志はみんなに通じ、強く頷いた。
「しかしエルドラントに向かうなら、対空砲火をくぐり抜けなければなりません。グランコクマの軍本部で検討してみませんか」
もしかしたら何か対策が練られているかもしれないと言うジェイドに頷き次はグランコクマに向かうことになった。