「空破特攻弾！」



アニスが一気に間合いを詰めて回転しながらモースへ攻撃を与える。



「飛燕瞬連斬！」
「絶破十字衝っ！」



前の攻撃でモースの体が着地する瞬間にルークが追撃する。再び宙に浮き地に着きそうになると同時にガイが更なる追い打ちを仕掛ける。



「しねぇ――っ」



ダメージを受けている様子を見せないモースが譜術を発動させる。譜陣が展開されると同時に各々散ったので直撃を免れた。



「絶対零度の冷気よ！その冷たき風で、彼の者の動きを止めよっ！」



無数の魔法陣に杖を打ち付ける。青い光に変わったそれは上昇し、冷たき風へと変わる。風はモースを覆う。そしてモースの体の表面がうっすら凍る。私程度の譜術では大したダメージは与えられない。だからあえて魔術での攻撃にした。



「くっらえーっ！爪竜列濤打ぁ!!」



凍り付いて動きの鈍ったモースにアニスの連撃が入る。



「凍った後は焼けてみますか？業火よ、焔の檻にて焼き尽くせ――イグニートプリズン！」



アニスの攻撃が終わり、後退すると同時に術を完成させ放つジェイド。痛覚はあるのか断末魔のような悲鳴を上げる。



「ぎざまらーっ！」



怒り狂ったモースが"ブレス"を放った。しまった！と思ったときには遅かった。後方で支援をしていたティアとナタリア以外の全員が食らってしまった。



「な、なんだ……!?」
「体が、動かないよぅ～」



ブレスをまともに受けた私たちはその場に膝をつく。余計な考え事なんかしてる場合じゃなかったか。無理だと決めつけたのに、もし叶うのなら、など馬鹿なことを考えてしまった、私が馬鹿だ。



「……っ」



痺れのせいか杖を持っている感覚もなく、手から放れて地に転がる。状況的には非常にマズい。