53話 今、ここから始めよう
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「私の体は音素がプラネットストームに吸い込まれていった。消えるのだとそう思ったときに、ユリアの譜歌を思い出したのだ。それが契約の言葉だった。ユリアの契約に応えローレライが反応した」
ヴァンの説明に表情を変えたのはジェイドだった。
「乖離しかかっていたヴァンを構成する音素がローレライによって引き寄せられ……」
「再構築された?」
更に説明を上乗せすれば、ヴァンはそうだと頷く。
「ローレライは分解した私の体をつなぎ止めた。だが……存外扱いが難しい。暴れるローレライを眠らせて、ようやくプラネットストームから抜け出すことができた」
「閣下。そろそろモースが騒ぎ出す頃では?」
ここに至るまでの経緯までも説明するヴァンにリグレットが声を掛ける。それに特に返事をすることなく、私たちに背を向ける。
「まて!くたばりぞこないが!俺がここで引導を渡してやる!」
未だラルゴと対峙していたアッシュは立ち去ろうとするヴァンを追いかけようとすれるが、それをラルゴに阻まれる。
「ようやく総長が戻られた。これでようやくローレライを……星の記憶を消滅させることができる。おまえに邪魔はさせぬ!」
「くそっ!図体ばかりでかくて、邪魔ったらねぇ!」
気迫がひしひしと伝わってくる。そこまでしなければならないほど、預言を星の記憶を憎んでいるのか。
「アッシュ。私と共に来い。おまえの超振動があれば、定められたら滅亡という未来の記憶を消すことが出来る。人は解き放たれる」
アッシュのフォローへ入ろうとルークとティアが側へ駆け寄ろうとしたが、ヴァンのその言葉に足を止める。
「……断る!」
だが、アッシュは少し間があるものもハッキリとそう答えた。間があったのはまだ、ヴァンを師匠として慕っているのだろうか。