53話 今、ここから始めよう
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「またここに来るなんてな……」
アブソーブゲートの入り口に辿り着き、足を止めて辺りを見回す。
「あれから、またたくさんの人が死んじゃったね……」
「もう、終わりにしたいな。こんなことは……」
ここにいる誰もが悲しい思いをしてきた。だからこそ、そう願う。
「終わりにするために来たのですわ。そうでしょう?」
「そうね……だけどここに来たのは私たちだけではないみたいだわ」
海岸に止めてあった一隻の船。それを上空から確認している。
「神託の盾の船ですね。ええ。気を付けた方がいいでしょう」
この先に誰が待ち受けているかは私以外誰も知らない。だからか緊張が走る。気を付けなきゃいけないの間違いではない。辺りを気にしながら先を進む。
「プラネットストーム……こいつを止めるんだよな」
プラネットストームの元までやってきた。大きな目をぱちぱちと瞬きさせてプラネットストームをアニス。
「大佐。これって、どうやって止めるんですか?」
「収縮点のある最深部に降りましょう。そこにプラネットストームを制御する譜陣があるはずです」
アニスの疑問にジェイドが答える。私たちが訪れたパッセージリングのあった場所よりも更に下にあるということで、先を急いだ。
「……この先には神託の盾の誰かがいるのですわね」
ふと進む足を止めるナタリア。その面もちは僅かに緊張している。
「リグレットかラルゴかシンクか……」
「全員という可能性もありますね」
ラルゴの名が出ると明らかに動揺を見せるナタリア。ルークが声を掛けるが、ナタリアは少し俯く。
「顔色が真っ青だ。無理をしない方がいい」
「すみません。こんなに動揺するなんて、自分が情けないですわ――でも大丈夫です。参りましょう」
意を決して顔を上げるナタリア。彼女の意思を尊重し、止めた足を進めた。