53話 今、ここから始めよう
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「やはりこの宝珠にも譜術が刻んであります。これに第七音素を込めて下さい。そうすれば、第七音素拡散の力と同時に譜術が機能して、ゲートの譜陣を停止させるでしょう」
会議室に戻り、全員が揃うとテオドーロが説明を始める。それでゲートが閉じるんだな、とルークが訊ねるとテオドーロは頷く。
「ゲート閉鎖はアブソーブゲートから行うのがいい。あちらはプラネットストームが帰結する場所です。そこから閉じる方が理に適っている」
「アブソーブゲート。兄さんと戦った場所ね……」
ゲートを閉じるならばアブソーブゲート。それに対して少しばかり表情を暗くするティア。
「ティア。プラネットストームを止めれば、エルドラントに近付くことができるんだ。つらいかもしれないが頑張ろうぜ」
生きていることはわかっている。でも、一度は勝負を決したところ。しかも近くへと落ちたのも見ている。そのシーンがフラッシュバックしても仕方がない。そんなティアにガイが励ましの言葉を掛ける。
「……ナタリアも大丈夫か?」
「ありがとう、大丈夫ですわ」
ティアもちろんそうだが、ナタリアも実の父親と戦わねばならぬかもしれない。ルークが気に掛けるとナタリアは微笑んでしっかりと返す。
「あー、私は?」
「ミュウもですの」
二人ばかり優しい言葉を掛けられたことに少々腹が立ったのか頬を膨らませるアニス。そしてミュウまでもぴょんぴょんと飛び跳ねる。
「あーあーあーあー。わーかったよ!みんな、準備はいいか」
「はーい」
「はーい」
「はーい」
「はいですの」
とうとう面倒になったか、半ばヤケクソに全員に問う。するとアニスとミュウだけならまだしもガイとジェイドまでも可愛らしく返事をする。
「よし、アブソーブゲートへ……ん?今、変なの混じってなかったか?」
「まあまあ。細かいことは気にせず、行きましょう」
「うん……気にしたら負けだよ」
首を傾げるルークの肩をポンと叩いく。気にしたら負けだよね、本当に。