53話 今、ここから始めよう
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「あ、ルーク」
会議室を出たところで立ち話をしているとまだ部屋の中にいたルークが出てきた。私達に気付いたルークはこちらへと近付いてきた。
「体は大丈夫ですか?」
ジェイドの問いに眉を寄せるルーク。私はわかっているから彼と同じ様な表情しかできない。
「今のところは……でもティアとミュウには知られちまったよ」
「みゅうぅ。知ってるですの」
「ベルケンドで私たちの話をミュウが聞いていたんですよ」
視線を逸らしたルークと悲しそうな表情をするミュウ。私たちの話を聞いたミュウがティアに教えたと言えば、何ともいえない表情をジェイドは浮かべた。
「そうですか……ティアは知ってしまいましたか。可哀想に」
「うん……心配かけちまったなーって」
眼鏡の位置を直すジェイド。そして、まあ当然と言えば当然な返事をするルーク。それを聞いたジェイドはやれやれと肩を竦める。私も苦笑いしかできない。
「……ルークは鈍いですよねぇ」
「これがルークのクオリティですよ」
「そんなことはないけど?……真咲が言うと別の意味で怖いな」
どういう意味かなぁ?と笑みを浮かべると、なんでもない!と首をぶんぶんと横に振るルーク。
「そうですか。では逆に、意識しているから気付いていないのか。それも防衛本能なんですかねぇ。まあ、どちらでもいいですが」
「そこがルークの可愛いところです」
「何の話だよ?つーか、真咲は俺をなんだと思ってるんだ?」
私達の会話の意味が分からないルークは首を傾げる。うん、可愛い。
「ティアに会ってきなさいと言ってるだけです。さあ、どうぞ」
「うん……」
やっぱり理解してないルークは小首を傾げたままティアの部屋がある方へと歩いていった。その後ろをミュウがぴょこぴょこと後をついて行った。