52話 暗雲を晴らすが為に
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「お父様……」
「ナタリア!心配したぞ!」
インゴベルト陛下の私室へと戻ると、陛下はナタリアの姿を見て側に寄る。色んな意味で心配だったのだろう。
「つらかったであろう?だがもういいのだ。これ以上、新生ローレライ教団との戦いにおいて、最前線に立つ必要はない」
「お父様!何故です!」
ナタリアが戦いに参加する必要はない。その言葉にナタリアが声を上げる。
「おまえは預言の処置について会議を執り行うため、使者として旅立った。もう指名はすんだ筈。何故血を分けた親子が戦う必要があるのだ?」
陛下なりの気遣いなのだろう。これ以上、ナタリアが心を痛める必要はないと。いや、痛めて欲しくないと。
「血を分けた……親子だからこそ、越えねばならぬこともあると思います」
「ナタリア!」
港から部屋へと戻るまでの間、ずっと考えていたのだろう。自分はどうするべきかと。
「いえ……本当はわからないのです。お父様の言う通り戦わない方がいいのかもしれません。ですが……みんなもラルゴがわたくしの父親と知っています。戦いづらいのは同じでしょう……わたくしには……どうしたらいいのか」
彼女なりに考えているけど、それでも迷いはある。父親が敵だと思えばやりづらいのは仕方ない。迷わず戦えるほど非情にはなれない。
「ナタリア。急いで結論を出さなくてもいいと思うわ。新生ローレライ教団も戦いの準備するのにも時間が掛かるのよ」
「ああ。今、アッシュがヴァン師匠の潜伏場所を探しているはずだ。俺たちにも、プラネットストームの停止作業がある」
ナタリアはその間に結論を出せばいいとティアとルークが促す。混乱している状態で結論づけようとしても無理な話だ。全員で考えられる話ならともかく、これはナタリア次第となるから彼女に決めさせるしかない。