52話 暗雲を晴らすが為に
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「ラルゴ!?使者っておまえだったのか……」
今朝、朝食を取っているところに兵士が飛び込んできた。新生ローレライ教団の使者と名乗る者が現れたとの報告に、ファブレ公爵は一足先に城へと登城した。私たちも後を追い、謁見の間に入るとそこにはラルゴの姿があった。
「新生ローレライ教団の使者として参った。導師モースへの返答はいかに?」
こちらを一瞥してすぐにインゴベルト陛下へと向き直る。そして先日の演説の件の返答を求めに来たのだ。
「我がキムラスカ・ランバルディア王国は預言を廃することで合意した。よって新生ローレライ教団の申し入れはお断りする」
質問に答えたのはアルバイン将軍。背を向けているからラルゴの表情はわからない。彼のことだから感情が表情に出るとは思えないけど。
「それはすなわち、新生ローレライ教団に対する宣戦布告と取ってよろしいのか?」
「我々に戦う意志はない。しかし我が国の領土と民が侵されるのであれば、直ちに報復行動に出ると心得られよ」
戦う意志はない。けど国や民に何かするのであればそれに対しての報復はする。インゴベルト陛下のその宣言を聞いたラルゴは今度はこちらに振り返る。
「……わかったかローレライの力を継ぐ坊主。おまえがレムの塔でレプリカを消したことで、新たな戦いが始まろうとしている。預言とは恐ろしいものだ」
何を持って恐ろしいというのか。彼らだってわかっているだろうに、自分たちの目的の為なのか。
「それは詭弁だ。第一我が息子は二人とも生きている」
預言通りと言えば預言通りなのかもしれない。でも、それを行ったのはルークとアッシュ。そして、ルークの計らいによってアッシュと公爵夫妻は再会できた。改めて、公爵は二人を息子だと認識した。それはけして愚かでも恐ろしいものでもない。