52話 暗雲を晴らすが為に
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「陛下への報告は明日でいいでしょう」
アルビオールでバチカルへと着くともう日が暮れ始めていた。
「わたくしは城に戻っていますわ。明日、謁見の間へいらして下さいませ」
そう言ってナタリアは城へと戻っていった。それを見てルークが私たちへと向き直る。
「他のみんなは屋敷で自由にしてくれよ。俺は部屋で休ませてもらうから」
ルークの言葉に甘えて屋敷へと入る。ここに来ることは伝えてなかったけど、何時誰が来てもいいようにと用意された部屋へと案内される。ティアは今頃ミュウに呼ばれてるだろう。アニスは一応イオンに手紙を送ると出て行った。
「真咲、いいですか?」
ノックの後、扉の外からのかけ声にどうぞと返事をする。声でわかっていたけど入ってきたのはジェイド。
「どうかしましたか?」
「いえ、まだあなたは気にしているのではないかと思いましてね」
知っているとはいえ、ルークの状態を気にしてると思って様子を見に来てくれたと。
「……正直、別の方法がなかったかとは思いますよ」
隠したところでどうせバレてしまう。彼の前ではそうそう隠し事なんて出来ない。
「ジェイドさん。今じゃないですけど、そのうちちょっとお願いがあります」
「気になる言い方ですか、なんですか?」
いつか時間があったらと思っていたこと。先に言っておくという約束は果たしておかなきゃね。
「私はまだ自分のことを知らなすぎます。だから……タタル渓谷にあるルーチェの研究室にもう一度行きたいんです」
あそこには様々な書物がある。力のことはもちろんだけど、ルーチェはユリアの預言とは違う未来が訪れることを知っていた。だから今後、何か役に立つ書物もあるかもしれない。それを知りたい。と言うと、ジェイドは、仕方ないですね。と私の額に唇を落とした。