52話 暗雲を晴らすが為に
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「くうっ!」
「う……っ!?」
瘴気が爆発したと同時に倒れたルークとアッシュが意識を取り戻す。まだ立ち上がることは出来ないみたいでその場に倒れたままだ。
「……約束だ。生き残ったレプリカたちにいきる場所を与えてくれ。我々の命と引き替えに……」
唯一、姿を保っているマリィが私たちの方を見て話しかける。
「わたくしが!キムラスカ王女であるこのナタリアが、命をかけて約束しますわ!」
「俺もだ。レプリカたちを見殺しにはしない。姉上と同じあなたの命のために」
「わ……私だって……あなたたちとイオン様は同じだもん……」
それを聞いて安心したのか、マリィは小さく微笑んで消滅した。彼女が消えきる頃にはルークたちは立ち上がっていた。
「俺、生きてるのか?どうして……」
自身の手を見ながら呟くルーク。彼が生きていることに全員が表情を明るくする。ティアなど今にも泣きそうになっている。
「こ、これは……?」
「……ローレライの宝珠だ」
ルークの手から眩い光が発せられ、その手に握られている透明な玉。それがローレライの宝珠だと言う。
「これが!?どうして?どこ探してもなかったんでしょ?」
「こいつは宝珠を受け取ってたんだよ。ただ後生大事に、宝珠を構成する音素を、自分の中に取り込んじまってたのさ。体が分解しかけるまでそのことに気付かなかったとは、とんだ間抜け野郎だぜ」
ルークの手の中の宝珠を睨むように見てアッシュは一人、昇降機へと歩き出す。
「お待ちになって!どこに行きますの!?鍵はそろったのですわ。一緒に……」
「……一緒にいたら六神将たちに狙われる。ヴァンの居所を突き止めて、ローレライを解放する直前まで別行動を取る」
そう言ってアッシュは降りて行ってしまった。
「……ルーク。生き残ったとはいえ、本来なら消滅しかねないほどの力を使った。非常に心配です。ベルケンドで検査を受けてください」
「……う、うん」
出来ることなら、そう後悔はどうしようない。小さく息を吐いて、みんなの後を追った。