「俺がやると言っただろう！何故ここに来た!?」



そこに現れたアッシュ。私たちがこの場にいるのを見て眉間に皺を寄せた。



「アッシュ！だからそれは俺が……」
「レプリカ共。俺が心中してやる。来い」



自分がやると言おうとしたルークを無視してアッシュは中央へと移動し始める。レプリカたちもアッシュの周りへと集まる。チラリとジェイドの視線が私へと向くが私からは何も言わない。



「アッシュ！馬鹿なことはおやめになって！」
「そうだアッシュ！やめるんだ！」



ナタリアが悲鳴にも似た声を上げる。ルークも止めるために叫ぶが、そんなルークをアッシュは心底苛立ったように睨みつける。



「偉そうにぐだぐだ言ってないで、てめぇはさっさとどこかに失せろ！おまえもレプリカだ。ここにいれば巻き込まれて消えるんだぞ！そうなったら誰がローレライを解放するんだ！」
「ローレライの解放はおまえがやれ！この場は……俺がやる！」



怒鳴るアッシュに臆することなくルークは、自分がやると言う。ルークがやると言ったのを本気にしてなかったのだろう、アッシュは一瞬目を見開く。



「そんなに死にたいのか!?」
「……違う！俺だっておまえと同じだ。死にたくない！だけど俺たちはレプリカで能力が劣化してる。ローレライを解放するには、宝珠を預かることができなかった俺じゃなくて、お前が必要なんだ。それならここで死ぬのは……いらない方の……レプリカの俺で十分だろ！」



途中声が小さくなって顔を俯いたルークは意を決したように顔を上げアッシュを見つめる。



「……いい加減にしろ！いらないだと!?俺は……いらない奴のために全てを奪われたってういのか!!俺を馬鹿にするな！」



ルークの決意の言葉はアッシュを激怒させただけだった。二人の気持ちはわかる。でも私から何かを言う資格はない。今はただ……まだ、見守るだけ。