51話 それでも私は両手を広げよう
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「大丈夫ですか?」
座席に座って外を眺めていればジェイドが隣に腰掛ける。さっきの件のことを心配させてしまったようだ。まあ、他のみんながいる前でああいうことを言うことはなかったからだと思うけど。
「色んな意味で自己嫌悪中です」
苦笑混じりに言うと、この言葉は予想してなかったのか、自己嫌悪?と聞き返す。
「未来を知ってるから嫌なことは変えたい。方法が見つからないから諦める。色々考えている自分が傲慢に思えて、嫌になります」
何が起こると言うことは言葉や行動で明確にはさせない。何かが、起こるというのは伝えるけど。私自身が少し手を出すことも。自分のしたいようにすると決めても全てをそうするわけにもいかなくて。ジレンマに挟まれてるのがもどかしい。
「人間なんてものはそんな生き物です。常に後悔が付きまといます」
後悔のない人生なんてない。誰もが持って生きてきているだろう。わかっていても心が追いつかないだけ。
「真咲が元気がないとルークやアニスが気にしますよ」
私を安心させるかのように優しく微笑み、そっと頬を撫でられる。こんな事で気分が浮上してしまうのだから我ながら単純だ。
「ですが、一つだけ聞かせてください。ルークは……助かりますか?」
可能性は低いと自ら示唆した。私があからさまな反対をしなかったことや別の案を出さなかったことで可能性を見いだしたのだろう。
「………はい」
目を閉じて、ただそう答えた。
心折れそうな恐怖
それに立ち向かう君
私に出来るのは
そんな君を抱きしめてあげるだけ