51話 それでも私は両手を広げよう
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「……俺。俺……やります。俺が命と引き替えに瘴気を中和します」
礼拝堂にいるピオニーたちの行き、ルークは彼らをしっかりと見て言う。ルークの言葉に四人は驚きを露わにした。
「……決心は変わらぬのか?」
悲しげな表情を浮かべるインゴベルト陛下にルークは、はいと短く返事をする。
「生き残る可能性はあるんだろう?」
「……いえ。ほとんどないと思います」
ルークから少し離れたところに立つジェイドに目をやり、微かな希望を口にする。が、ジェイドは眼鏡を直し、はっきりと告げた。その言葉に更に驚き、悲痛な面もちでルークを見る。
「……では、我々は……死ねと告げねばならぬのか」
「お祖父様!」
オブラートに包まれないテオドーロの言葉にティアが声を荒げる。この場に誰もが思っても口に出来なかった言葉。
「ティア、落ち着いてください」
テオドーロを睨みつけるかのように見るティアをイオンが宥める。ルークを心配しているティアだから感情的になってしまったのだろう。この現状にイオンは眉を寄せて私へと視線を向けた。それに目を伏せて答えることしかできない。
「このままでは……どのみちみんな死んでしまう。新生ローレライ教団のレプリカ大地にかけるという話も出たが……このオールドラントの民全員を等しく受け入れてくれるとは思えぬ」
言えない。レプリカ大地の末ものの行く末を。自分で決めたことなのに、時々心が折れそうになる。
「恨んでくれてもいい。人でなしと思われても結構。だが俺たちは、俺たちの国民を守らなけりゃならい」
「わしは……正直なところ今でも反対なのだ。しかし他に方法が見つからない。たのでもいいだろうか……ルークよ」
各国の王としての苦痛の決断を身に染みたのか、先ほどより弱い返事になるルーク。いっそキツい言い方をされた方がよかったのか。