51話 それでも私は両手を広げよう
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「アッシュ!」
外にいる私たちをガイたちが迎えに来た。本来は図書室なんだけど、私が外にいたからルークは私の所に来るのを最後にしたのだろう。そして陛下たちの元に向かう途中にアッシュの姿を見つけナタリアがその名を呼ぶ。
「レムの塔から追いかけてきたのか」
私たちの姿に眉を顰めるアッシュの側へと寄る。
「どうしても死ぬ気なのか?」
「そんなことはどうでもいい。結局セフィロトを全部回っても、ローレライの宝珠はなかった。このままでは、ローレライを解放できない。おまえは宝珠を探すんだ」
ルークの問いにどうでもいいと返す。アッシュは焦っている。前にも忠告したのに。全く困ったお坊ちゃんたちだ。
「おまえっ!自分が死ぬってことが、どうでもいい訳ないだろっ!大体宝珠が見つかっても、おまえがいなきゃ、ローレライは解放できねぇだろーがっ!」
アッシュの返しにルークが激怒する。この空気の中、口にはしないけど、正直どっちもどっちだ。自分には時間がないから死ぬというアッシュと自分はレプリカだからローレライを解放出来ないというルーク。全く、変なところだけそっくりなんだから。
「おまえこそ馬鹿か?おまえは俺のレプリカだぞ。そういう時に役立たなくてどうする」
「そんな言い方はやめて!」
眉を思い切り寄せまるで小馬鹿にしたような言い方。ただ内容としてはルークを道具扱いしたものだった。その言葉にティアが悲鳴を上げる。
「おまえは引っ込んでろ!おまえがやれ!ルーク!俺の代わりにな」
本当に面倒な二人だね。思わず出てしまった溜息を吐いたと同時にアッシュの側へと行く。
「えいっ」
「ぐっ!?」
とりあえずアッシュの額にチョップを入れる。私が手を出すとは思ってなかったのかアッシュは変な声を上げて、目を丸くして私を見る。それは他のみんなもだけど。