51話 それでも私は両手を広げよう
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「おまえたちか!今、アッシュからの手紙を見ていたところだ」
ダアトの礼拝堂に行くとピオニー、インゴベルト陛下、テオドーロにイオンがいた。アッシュからの手紙はあるが本人は何処に行ったと訊ねれば、ローレライの宝珠を探しにセフィロトに向かったと。
「手紙にはなんて?」
「瘴気を中和する方法を発見したと書いてある。それに伴って、レプリカに協力を依頼する代わりに、彼らの保護をしろと言ってきているな」
手紙を見ながら答えるインゴベルト陛下。それだけかと問えばそうだと頷かれ、私たちは顔を見合わせた。
「どうかしたのですか?」
私たちの様子にイオンが首を傾げる。
「あいつ……自分が死ぬことは書いていないんだな」
ルークの呟きにピオニーたちの表情が変わる。ここに来る前の詳細をジェイドがガイに説明させる。また俺かよと頭を掻きながらもそれを説明するガイ。
「アッシュは何を考えているのだ。何千というレプリカと共に心中するとは!」
「当然、許可しませんよね?そんなの駄目ですよね?」
激怒するテオドーロ。懇願するようにアニスがそう言うが、各国の首脳たちは難しい表情を浮かべる。
「レプリカとはいえ、それだけの命を容易く消費する訳にはいかん……しかし……」
「お父様!しかしではありませんわ!」
レプリカと言えども一人の人間。ルークやイオンに接してきた彼らだからこそ、簡単には頷けないのだが、今世界に起きている現状を考えると却下とも言えなかった。
「……ジェイド。おまえは何も言わないのか?」
「私は……もっと残酷な答えしか言えませんから」
こういった問題に何も口を出さないジェイドにピオニーが声を掛ける。が、ジェイドは目を閉じ、表情を隠すように軽く俯く。