51話 それでも私は両手を広げよう
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世界に迫る闇に
君は思い、悩む
苦しくて、辛くて
そして決断するだろう
「待ってたでゲスよ」
アッシュを追いかけるためにレムの塔を出ると、そこで待っていたのは漆黒の翼のウルシーとヨークだった。
「俺たちはこれからアッシュの旦那をダアトへ運ぶでゲス」
「俺たちじゃ旦那は止められねぇ。なんとか説得してくれよ」
彼らはアッシュを待たせてまで私たちに止めて欲しいと懇願してくる。アッシュは頑固だ。あの気性の荒さを止めるのは困難と言うより、無理なのだろう。頭を下げる二人をアルビオール三号機からノワールが呼び、彼らはそのまま行ってしまった。
「ダアトか……とにかく追いかけて、あいつを説得してみるしかないな。瘴気を消したって、俺たちはローレライを解放しなくちゃならない。それには被験者であるアッシュの力が必要なんだと思う」
アッシュと漆黒の翼が去っていった方向を見つめながら言うルーク。そんなルークを目を細めて見るジェイド。この空気だけはいつまで経っても慣れない。
「……ルーク。あなたは本気でそう思っていますか?」
「え?ああ、もちろん」
普段より少しだけ、本当に少しだけ声音を低くするジェイド。その微妙な変化がわからなかったルークはそうだと頷く。それを聞いてジェイドはそうですかとだけ答える。
「大佐?何か気になることでも?」
「……いえ。なんでもありません」
「とにかく、アッシュを追いかけるんでしょ。行こう!!」
肝心なところは言わないんだから。溜息を吐きたいところだけど、そんなことをしたら私の考えなんてあっさりと見抜かれてしまう。それより、ダアトでの方が私としてはもっと考えなければならない。動きたいけど、まだその案は何も浮かんでないけど。
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