50話 時に残酷な願い
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「……どうせ、モースは永遠に迎えなど来ない……エルドラントの対空迎撃装置が起動すれば……塔ごと消し炭にされる……ククク……はーっはっはっはっ」
ガイザーディストXXに倒れ込んだディストが顔を少しだけ上げて笑う。その言葉を聞いてレプリカマリィたちの表情が驚愕なものに変わった。
「ネビリム先生……今そちらに向かいます!」
「させるか!」
手に持っていたスイッチを押すディスト。それを自爆スイッチだと感づいたルークが超振動で上空高く吹き飛ばす。そしてガイザーディストXXは大きな音を立てて爆発した。
「……我らには居場所はないのか……」
爆発を見上げながらマリィが呟く。
「……俺たちは……この時代に存在してはいけない生き物なんだ」
「違うわ!だってここにいて息をしているじゃない!あなたたちを受け入れられない世界がおかしいのよ!」
自らを否定するルークにティアが悲痛な悲鳴を上げる。悪いのはレプリカではない、世界が悪いのだと。
「だが、レプリカが誕生したことで死んだ人もいる。すべてを受け入れられるほど人の心は単純じゃない」
ある意味当事者に近いからかガイが厳しい表情で言う。目の前に最愛の姉のレプリカがいるのだから。レプリカが作られたせいで死んだ訳じゃないけど、心境は複雑なのだろう。
「そうだ。だから取引だと言っただろう。どうする?もうおまえたちの住む場所はなくなったぞ」
「考えさせて欲しい。我と同じく自我の芽生えた者たちと、話し合って決めたいのだ」
そこに現れたのはアッシュで、私たちにも目もくれずマリィの側へと行く。ディストの言葉で希望を打ち砕かれたからか、短い時間で憔悴しきったマリィは待って欲しいという。
「アッシュ!馬鹿なことを言うな!死ぬ気はないって言ったのはおまえのほうだぞ!」
「……だったら瘴気はどう解決するつもりなんだ!俺の代わりにおまえが死んで瘴気を消してくれるとでも言うのか?」
止めに入ったルークをギロリと睨みつけるアッシュ。口ごもるルークを無視してアッシュはマリィたちに総意をまとめておけと行って下へと降りていってしまった。