50話 時に残酷な願い
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「おまえたちか!」
飛び移った昇降機に乗っていたのはマリィを含めた多くのレプリカたちだった。
「あ、姉上!?」
「……我はおまえの姉ではない。8-027だ」
レプリカマリィを見て驚くガイに彼女は抑揚の感情のない声で返してきた。
「どうしてここに来たんですか?モースの救いの手を待っているんですか!」
モースが救ってくれるという約束を信じてこのレムの塔はとやってきたという。
「地上には我らレプリカの住処はない」
街の外に暮らすには仲間は知識を持たず、街の中は被験者たちの世界。我々は恨まれている。被験者のために消滅しろと言う奴まで出てくる始末だ。と私たちを恨めしそうな表情で言う。
「レムの塔の最上階で待っていれば、モース様が新生ホドへ我らを導いて下さる。そう約束してくれた」
我々はそこで、我々の国を作るのだと上へと向かおうとする彼女らが乗る昇降機へと私たちも慌てて乗り込む。
「被験者のために消滅しろって……それは誰が言ったんだ!」
何て酷いことをと思ったのだろう。ルークが怒りを露わにして問う。
「おまえと同じ顔の男だ。我らの命を使って瘴気を消すことに同意すれば、まだこの塔に辿り着いていない大勢のレプリカたちに、住む場所を与えると取引を持ちかけてきた」
「そんなに死にたければ一人で死ねばいい。我々にはホドがあるのだ」
アッシュが言ったと聞いて怒りからショックへと表情を変えるルーク。しかしレプリカたちには関係のないことだと一蹴する。
「我々はホドを目指す。モース様はきっと我々を受け入れて下さる!」
「……無理、だよ」
「真咲?」
彼らの願いは叶わない。口にするつもりはなかったけど、彼らの悲痛な思いについ言葉が出てしまった。そこに、待ち人ではない者がやってくる。ちょうど最上階へと辿り着いた時だった。