50話 時に残酷な願い
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「下の階にいたゴーレムあたりですか?」
「そうだな。その辺りが無難だろう。ゴーレムから核を奪い取って動力装置を充填してみるか」
ここに来る前にいたゴーレムから動力を得ようととうことになった。
「じゃあこれは持って行くんだな」
「ガイ、それを運んで……」
「ナタリア!」
核を入れるための充填器を持って行くことを確認すると、もう癖になっているからかナタリアが今まで様に命令してしまう。それをティアが名前を呼んで諫めるとナタリアはいけない!と口元に手を置く。
「あなたはもう使用人ではありませんでしたわね……」
「結構ですよ、ナタリア様。ご命令とあらば運びましょう」
申し訳なさそうにするナタリアにガイは優雅に頭を下げた。ジェイドが茶々を入れると言うな……と後頭部を掻く。そして私たちは下の階へと戻りゴーレムを倒す。動かなくなったゴーレムから核を取り出し充填器に入れる。
「……すげぇ!」
充填器を装置へと戻し起動させると、昇降機が動き出す。感嘆の声を上げるルークに嬉しそうに笑みを返すガイ。
「さすが音機関博士」
「あんたに誉められると、うさんくさいなぁ……」
ジェイドに誉められるが素直に喜べないようで。まあわかる気はするけどね。何か裏がありそうで怖いというか。
「うわ、下見て!」
アニスが慌てたように大声を上げて下を指さす。その指を追うように私たちも下を見る。
「下から昇降機が上がってきますわ!」
「ここを伝って飛び移りましょう!」
マジですか。私にそんな運動神経は持ってないよと、顔を顰めるとそれを察したかのようにジェイドが私の手を取り腰に手を置いて昇降機へと飛び移った。
「あ、ありがとうございます」
「いえいえ」
アニスに冷やかされそうだけどそれよりも怖かった。高所恐怖症ってわけじゃないけど、あんなスピードで上がってくる昇降機へ飛び移るってことが怖かった。