50話 時に残酷な願い
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「……にしてもぉ。アッシュってルークの被験者だけであって、ホント馬鹿なんだね!もう、何考えてるのか、さっぱりわかんないよぅ!」
ぷぅっと頬を膨らませるアニス。急ごうと促すガイにルークは頷く。俺の被験者なんだ。見殺しには出来ない、と。
「あんたらか!」
階段を上がっていくと再び声が。視線を上げれば、ヨークとウルシーの二人がいた。
「アッシュは!?」
アッシュを追いかけていたはずの二人に問うと、二人は顔を見合わせる。
「そうかあんたらも、アッシュの旦那を捜しに来てくれたか」
「この辺りにはいないようでゲス」
二人もノワールと同じように私たちがアッシュを捜してると知ると安堵の息を吐く。けど二人が捜した限りの場所にはアッシュは見当たらなかったと。
「アッシュ……どうして自分を犠牲にしてまで……」
「そりゃあ、お姫様、あなたのためでしょう」
スピノザとジェイドの言うとおりならばアッシュは自らの命を使って、と。その理由がわからないと小さく首を振るナタリアにヨークはさらりとそう言った。それにナタリアはえっ?と彼を見る。
「アッシュの旦那は、あなたとあなたの国が瘴気にまみれて沈むのを見たくないんですよ」
「だからって自分が死んじまったら、ナタリアが悲しむと思わなかったのかねぇ。あの馬鹿は」
肩を竦めるヨーク。ガイも憤りを露わにする。ナタリアは自分の為と言われ、手を胸の前で組んだまま俯く。
「それなんでゲスがね。旦那は二言目には、時間がないだのなんだのって、今回も、無駄に死ぬぐらいなら瘴気と一緒に心中するってんですよ」
ウルシーも困ったような表情で息を吐く。理由はわからないけど見過ごせないと。死にたくないって言ったくせにとルークは怒り、ここにいなければもっと上の階にいるのだろうと言うジェイドに頷き私たちは更に上を目指した。