50話 時に残酷な願い
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「これは一体……!」
「レプリカの方がこんなに!」
アッシュを追いかけてレムの塔にやってきた私たちが見たものは数え切れないくらいのレプリカたち。
「みんな、なんて目をしているのかしら」
「ああ……生気がない」
ただ立ち尽くす彼らは生きているはずなのに、生きている感覚を感じられない。私たちが来ても全く気にする様子もない。
「ルーク。私、ルークとこの人たちが同じなんて思えないよ」
「彼らには個性がないんだわ……」
顔を歪めるアニス。その表情は悲しみに満ちていた。そんなレプリカたちを見てティアがそう言う。
「刷り込み教育のためでしょう。レプリカは赤ん坊と同じ状態で生まれます。歩き方一つ知らない。機械的に最低限の知識を与えるとみんなこうなってしまう」
生気が感じられないのはそのせいだと説明するジェイド。そんなレプリカをルークは気持ち悪いと、異質な物を見るような目で見る。
「……ルーク」
掛ける言葉が見つからず、ただ彼の背中を撫でるくらいしか出来なかった。
「坊やたち!丁度いい!」
全員が黙り込んでしまっていると、頭上から声が。そちらを一斉に見ると階段の上から降りてくるのはノワールだった。
「おまえは!漆黒の翼の……!どうしてこんなところに!」
私たちを見て少し安堵したような表情を見せるノワール。まさか彼女がこんな所にいるとは思わずルークが声を上げる。
「あたしたちはアッシュに雇われてるからね」
「それではやはり、アッシュはここに!」
ノワールの口からアッシュの名前が出ればナタリアが前へと出て来る。ノワールがいると言うことはと思いはしていただろう。ナタリアに問われてノワールもああ!と頷く。