50話 時に残酷な願い
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「あなたが言っていたのはさっきの事ですか?」
アルビオール内の一室から窓の外を眺めていると気配なく隣に立つジェイド。怖いから出来れば止めて欲しい。
「半分そうです。まあ、もう半分はもう少し後ですかね」
けどこれ以上は答えませんよ。口元に人差し指を持って行き、内緒です、と。私は元々言うつもりはないし、私が導きの標だというのならそれを口にするわけには行かない。多少の修正はするけど、根本的に私の手で未来を変えきってしまうことはあまりしたくない。只でさえ、ケセドニアでだったりイオンの時にだったりと色々とやっているのだから。
「そういう可愛い仕草をしますとこの場で襲いますよ?」
「ほへぇぇぇーっ!?」
口元に置いていた手を取られそのまま抱き寄せられる。突然のことに頭がパニックになる。
「いい加減に慣れなさい。子供ではないのですから」
そうだけど!そうだけど。自分がどれだけ顔が良くて声も良いかってわかってるのかな。
「本当は昨日は連れて帰りたかったんですよ」
顔を上げられ、触れる程度のキスをされる。少し久々なせいか、それだけで頭がクラッとする。それに気を良くしたのか、口角を上げたジェイドはもっと深いキスをしてくる。
「んんっ!」
もし誰かが入ってきたらどうするんだろう。いや、この人はどうするつもりもない。開き直るだろう。でも、正直気持ちいいと思ってしまう自分もいるから抵抗が出来ない。
「……もう」
「二人きりになる機会などあまりないのですからいいじゃないですか」
それも間違いないから言い返せない。しかも私は一ヶ月もの間、一人でウロウロしてたから文句も言えない。
「……少しだけだですよ」
と、私も抱きしめ返す。この先に起こる事の方がと思うと不安からか彼の温もりを感じたくなった。少しでも、不安が消えますようにと。