50話 時に残酷な願い
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「ルーク?」
「ローレライか、それとも……」
頭を押さえその痛みに耐えるルーク。ただ話しかけてきた相手が誰なのかはルークの次の言葉でわかる。
「アッシュ……!今は……」
突然声を上げるルーク。相手がアッシュだと知るとティアとガイが顔を見合わせる。
「アッシュ、なんだって?」
二人のやり取りの内容がわからないからアニスが訊ねる。まだ頭痛の余韻が残るのか、ルークは頭に手を置いたままこちらを向く。
「俺たちに会いに来るらしい。屋敷で待ち合わせした」
声のトーンを落とす。複雑な感情が入り混ざってるのだろう。
「屋敷に?いいのか?」
「……うん。その方がいいんだ」
眉根を寄せて確認するガイ。ルークは少し泣きそうに見えなくもない表情で頷く。ちょうどいい機会だと思ったのだろう。
「……行こっか?」
そっとルークの背中に手を置いて屋敷の方へと促せば、ルークはゆっくりと歩き出す。それに続くように私たちも歩き出した。
「……ここで、待つ」
玄関ホールに入ったところで待つと言い出したルーク。屋敷に戻ったのならば公爵やシュザンヌ様に会いに行けばいいのに、とガイが言うけどルークは首を横に振るだけだった。
「真咲。あれ、どういうこと?」
「うーん、ルークはルークなりの考えがあるってことだよ」
事情というか内容を知ってる私に聞きたいんだろうけど答えるわけにもいかない。まあ、ルーク自身が言いたがらないし。
「それが空回りしてもね」
「……しちゃうんだ」
コソコソと話す私とアニス。いやいや、そう言う訳じゃないんだけど。ルークにしてもアッシュにしても複雑な心境になるのは変わりないからなぁ。ティアやガイも落ち着かない様子で、殆ど喋ることなく待ち続けた。